「ウォーターフォール型?アジャイル型?」〜お医者さんは、なやんでる。 第81回〜

第81回 「ウォーターフォール型?アジャイル型?」

お医者さん
お医者さん
ああ、まったく。どうしてあの人たちはこうも融通が効かないんだろう。
お医者さん
お医者さん
ここを今風にちょっと直してくれればいいだけなのに、あんなに追加費用がかかるなんて。
先生、随分とご立腹のようですね。どうされたんですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いやね、うちのシステムの修正を業者さんにお願いしたんだよ。そうしたらびっくりするくらいの見積りが出てきてね。って、あなたは一体?
はじめまして、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん、そんな仕事があるんだね。でも、ちょうどよかった。他の病院はこういうときどうしてるんだろう。
システムのソフトウェアをどうアップデートしていくか、という話ですよね。お見受けする所、こちらのシステムは「ウォーターフォール型」で開発されているようです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ウォーターフォール型?
要するに、最初にガチッと設計して、その通りに開発していくやり方です。細部まできっちり作り込むので完成度の高いものができるのですが、ガチガチに設計されているぶん、柔軟な対応が苦手です。追加費用が高かったのも、恐らくそのあたりが理由だと思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふうん、そういうものかね。でも、毎回こんなに金がかかっていたらかなわんよ。
実は開発にはもう一つやり方があって、それがアジャイル型というものです。これは言わば“未完成状態”でリリースし、実際に使いながら改善を続けていく、という方法なんです。かつてはウォーターフォール型が主流でしたが、時代の変化がめまぐるしい昨今では、アジャイル型での開発がかなり増えている印象です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど、ウォーターフォール型で開発したシステムはすぐに陳腐化してしまうと。
もちろん一概には言えませんが、将来の仕様変更が想定される場合は、アジャイル型の開発が向いていると思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーん、なるほどね。じゃあうちも、思い切ってアジャイル型で作り直した方がいいのかなあ。
あるいは、クラウドサービスを活用するという手もあります。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
クラウドサービス?
ええ、今はいろいろな会社が医療用のクラウドサービスを開発・提供してくれています。必要な機能を備えたサービスを探して、それを導入するのです。これならオーダーメイドでいちから開発するよりはるかに安いですし、アップデートはその開発会社がやってくれます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどねえ。そう言われると確かに、オーダーメイドにこだわる理由もないのかもしれんな。
時代はめまぐるしく変わっています。このスピード感に対応していくことが、病院も含めたビジネス全体に求められているのではないでしょうか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うむ、確かにな。クラウドも含めてあらためて検討してみよう。その際はまた相談に乗ってくれるかい?
もちろんです!ぜひお声がけください。
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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