其の参十七 苦手ってなに?

イノベーションカードが知らせる
本日の斬り口:すべて書き出してみる
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拙者には

ひとりで取り組む

という活動癖がある。
すべての書き出しが

ひとり

ではじまり、
すべての書き終わりが

で終わる。
たとえば

ひとりおでん部
ひとり餃子部
ひとりトランプ部

などだ。
この部は、拙者が

好むもの
チャレンジしたいこと

で占められている。
これらの

ひとり部活動

とは異なる、
修行の道場がある。

世界中でここに
無意識で通っている人は
多く存在する道場。

その名も

苦手克服道場

でござる。

この道場では

苦手だ

と思うことに
あえて取り組み、
新たな自分を
開発していくことを
目的としている。

筋金入りの
スパルタな
容赦なしの道場でござる。

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拙者が、この道場に
入門したのは、
竹やぶから転がり出て、

この世の小学校に
通い始めたころでござる。
最初に取り組んだのは

イカの塩辛

でござる。

パンダ侍家では、
ご飯の箸休めとして
ぬか漬け、味噌漬けなど
漬物と同じカテゴリで
塩辛系が登場する。

これが、大大大の苦手で
御膳に塩辛系が存在するだけで
拙者の魂は

暗い時代

を迎え重い空気に
耐え凌いでいた。

そんな鉛のような
目つきでご飯を食べる
拙者をよそに、

世を忍ぶ仮の家族たちは

イキイキ!

している。
これが悔しく、
大粒の涙と
鼻水を垂らしながら

苦手克服道場

の門を叩いたのでござる。
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苦手克服道場に
掲げてある克服3原則は

一, 脳をだませ、脳はバカだ
一, 小さなことをやれ、これがバカにできない
一, 身体からはじめろ、頭はバカになれ

で、サンバカの原則と
呼ばれている。

これに従い、
拙者が取り組んだのは
次のことだ。

・イカの塩辛を瓶ごとランドセルに入れて持ち歩き、ときどきなでる。
・イカの塩辛の汁の部分をちょっとだけ箸につけてご飯と食べる
・イカの塩辛って美味しい!といいながらダンスを踊る

でござる。
このような鍛錬をしながら
いつのまにか、
イカの塩辛は好きではないが
苦手ではなくなった。

そして、ある日、
お寿司屋さんで
イカの塩辛が出てきた。
それを食べたとき、

えええええっ!!!
こんなにうまい
イカの塩辛が世の中にあるんだー。

と脳天に電撃が走る
食体験によって、
好きになった。

こんなにうまい
寿司屋のイカの塩辛も、
もし、苦手のままだったら
食べようともせずに
ブラックパンダ侍が発動され
寿司屋ごと暗い時代に
落とし入れていたかもしれない。

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ってことで
苦手とは、凝り固まった個性ではなく、単なる現象=思い込みに過ぎない。

苦手とは

新鮮な世界への入り口かも、yo!

でござる。

拙者、最近は苦手は克服せずに受けとめるでござるよ。

 


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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