第87回「1店舗だからできる小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「1店舗だからできる小さなブルーオーシャン」


「限定したことで時間と売上を安定化」

京都の右京区西院というところに
「国産牛ステーキ丼専門店」
があります。

店名は「佰食屋」

「ひゃくしょくや」と呼びます。
1日100食限定のお店だから、
「佰食屋(ひゃくしょくや)」
なのです。

このお店はいろいろとこだわりがあります。

新鮮なものを食べてほしいということで、
お店には冷凍庫 がないそう。
毎日100人分の食材を仕入れ、 100人にご提供。
つまり、作りたての美味しいお料理が提供されるわけです。
当然、原材料は無添加、無化学調味料。

そして、このお店は整理券制度。
お客さまに並ぶ時間に費やしてほしくないということで、
整理券の配布し、好きな時間を選んでご予約するシステム。

もう一つは、営業時間。
100食限定ということもあるのですが、
お昼のみの営業。
そうすることで、働く人の時間も確保。
プライベートも充実している。

お客さまも、働く人も、幸せになれますね。

RitaEによるPixabayからの画像

多くのお店が、売上を上げるために、
長い時間、お店を開けていたり、
たくさんのメニューを開発したり、
クレームになることを怖れ、多くの食材を仕入れたり…
(結局、フードロス?)

しかし、100食限定、
お昼のみの営業、
とすることで、フードロスがなく、
多くの時間も確保、そして売上も安定する。
とても好循環です。

ちなみに佰食屋は1店舗のみでの営業。
大きなチェーン店ではこうした営業手法は、
取れないのかもしれません。
だから小さなブルーオーシャンになりうるのでしょうね。

 

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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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