第25回 組織の拡大よりも大事なこと

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第25回 組織の拡大よりも大事なこと

安田
今日は「組織の拡大」について聞いていきたいと思います。昔は社員を増やしたり組織を拡大していくことが「善」でしたよね。

渡邉
ええ、それが当たり前でしたね。
安田
ところが最近は、拡大して売上は伸びたけど、収益が落ちて経営が破綻しちゃう、というケースが増えてきている気がして。

渡邉

確かに最近は、あまり拡大しすぎない方がいいんじゃないかと言われてますね。人がしっかり定着して、ノウハウや知見が積み上がっていく組織だったらメリットもあるんでしょうけど。

安田
社員は社員で、ベクトルが完全に自分の人生に向くようになりましたよね。本来それが当たり前ではあるんですが。

渡邉
ええ。「この会社、なんか違うな」と感じたらすぐに辞めてしまいますから。そういう意味では、社員を10人増やしたかったら、辞める前提で30人40人採用しておかないといけない。
安田
まあ、日本一や世界一を目指すくらいの大企業であれば、それくらい大量採用してもスケールメリットを得られるでしょうけど。でも大手以外は厳しいですよ。

渡邉
確かに。昔は店舗も社員も売上も「多ければ多い方がいい」っていう感覚でしたが、今後は敢えて拡大をストップし、利益率を重視した方がいいのかもしれません。
安田
私もそう思います。実際、組織を拡大して良い結果に結びつかなかったケースもたくさん見てきましたから。そもそもスケールメリットが得られるようなビジネスがそう簡単に成り立つのかという。

渡邉
スケールメリットも「質とコストのバランス」が重要だと思うんですよね。ユニクロにしろマクドナルドにしろ、数を増やすことで高品質なものを安く提供できるわけで。
安田
それはそうなんですが、その段階までいくには圧倒的な規模感がないと成り立ちませんよね。中途半端に拡大しても、むしろオリジナリティが失われていくだけで、メリットは得られない。

渡邉
まさにその通りで。規模が大きくなれば、オペレーションもマニュアル化しないといけませんし。
安田
そして「誰がやっても同じ成果が出せる」ようになった結果、「その会社にしかできない」という価値を失ってしまう。
渡邉

仰るとおりです。まぁ、マクドナルドで店ごとに味が変わっても困りますけどね(笑)。

安田
それはそうですね(笑)。マクドナルドが店舗ごとのオリジナリティを追求したとしても、個人店のハンバーガーには勝てないでしょうし。

渡邉
そういえば、この前久しぶりにマクドナルドに行ったんですが、今はセットが700円とか800円とかするんですよね。100円せずにハンバーガー1個を買えた時代からすると、かなりスケールメリットで儲けてるんじゃないかと。
安田

いやいや、それは安さに慣れすぎているんですよ。日本のマクドナルドのセット700円って世界的に見たらめちゃくちゃ安いので。


渡邉

ああ、確かに。世界では1,500円とかするのが当たり前ですもんね。ラーメンも日本発祥ですけど、海外では1杯2,000円以上しますし。

安田

最近は日本でも材料費や人件費が上がって、1杯1,000円では元が取れないって言われてますよね。でもなかなか値上げもできず、結果利益が上がらず廃業していくという。


渡邉
確かに、日本人って値上げには敏感ですもんね。でも、値上げしないことでチェーン店と価格帯が同じになってしまって、知らず知らず競合化している個人店も多い気がします。
安田

なるほど確かに。今までは「できるだけ安くいいものを作る」とか「規模を拡大する」とか、皆と同じことを真面目にコツコツやっていたら生き残れたけど、これからはそうもいかないということですよ。

渡邉
「何のために大きくするのか」に対する答えを自分なりに持っていないといけないんでしょうね。拡大するにしても「50店舗のときに一番利益率が上がるのでそこを目指そう」とか。
安田

何も考えずに拡大していくことは厳しい時代ですよね。ちなみにランリグさんはこれから拡大させていくんですか?


渡邉
うーん、『その道のプロ』事業もまだまだ伸びていますし、それぞれの事業で適正な規模までは拡大していくつもりです。でも、それ以上無理に大きくするつもりはないですね。
安田
なるほど。ある程度の規模になったら拡大路線は止めると。

渡邉
ええ。昔みたいに、無限にマーケットを開拓できる時代じゃないですから。情報が均一化されたことで、競合も増えやすくなっています。そういう意味でも、今までのような拡大の仕方は難しいですよね。
安田

確かにそうですね。ちなみに一つの事業を軌道に乗せるには、普通に考えたら10年ぐらいかかりますよね。


渡邉

弊社も軌道に乗るのに10年ぐらいかかりましたね。

安田
やっぱりそうですよね。私もワイキューブの時に10年ぐらいかかったので、次は2回目だから3年ぐらいでいけるかなと思ったんですけど、やっぱり10年ぐらいはかかるんですよね。

渡邉

2回目でも同じなんですね。10年かけて積み上げる時間が重要なのかもしれないですね。信用や人との繋がりを作るには時間がかかりますから。

安田

まさに仰るとおりで。ある程度お客さんができて、そのお客さんたちが喜んでくれて、そこから口コミでだんだんと評判が広がっていくにはどうしても時間が必要ですよね。

 

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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