第43回 人材難を救う切り札は「内的報酬」

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第43回 人材難を救う切り札は「内的報酬」

安田
今までの採用って、「誰かが辞めたら補充する」という流れだったと思うんです。でも今ってSNSですぐ評判が広がってしまうし、結局辞めずに活躍し続けてくれた方が採用コストは抑えられるわけですよ。

渡邉
確かにそうですよね。費用対効果を考えると、今いる人材の満足度を高めるのが一番効率がいい。
安田

そうなんです。満足度、中でも「内的報酬」をいかに高めるかが、中小企業の人材不足問題を解決する鍵になるんじゃないかと言われているんです。


渡邉

へぇ。それでいくと外的報酬の方が、給料や休みなど目に見える形で受け取れるのでわかりやすい気がしますけど。

安田
わかりやすさは外的報酬の方があるんですけど、その分限界がありますよね。どこまでも給料を上げられるわけではないし、休みを増やしすぎれば仕事にならない。その点、内的報酬はある意味無限に高めることができるわけです。

渡邉
ああ、なるほど。そう考えると確かに内的報酬は無限ですよね。居心地のいい環境づくりとかだと、社員同士で与えあうこともできますし。
安田
そうなんですよ。とはいえ「居心地のいい環境」といっても人によって違うわけで、結局「社員1人1人にとって何が幸せなのか」を一生懸命考えることが大事なんです。それが人事戦略を練る上で一番重要といってもいいくらい。

渡邉
わかります。一番大変で一番重要な部分ですよね。大企業だとサーベイのような形で全体の満足度を調査したりできますけど、小さな会社でそれをやってもあまり意味はないでしょうし。
安田
まず本音で書いてくれないでしょうね。誰が書いたかわかっちゃいますから。社員20〜30人しかいないのに、サーベイで答えを見つけようとしている時点で駄目なのかもしれない。

渡邉
うーん、なるほど。「あいつは今日機嫌がいいな」とか「なんだかいつもと様子が違うぞ」と社長が肌感覚で感じられるぐらいでないと、組織運営自体が厳しいということなんですかね。
安田
そうでしょうね。それこそが社長の仕事というか。全く同じ待遇でも、倍ぐらいのやる気で機嫌よく働いてくれる社員をいかに育てられるか。

渡邉
「お客様が神様の時代」から「社員様が神様の時代」になってきてるわけですね。こびへつらう必要はないけど、その人が何を求めてるかを察知して、環境を整えてあげる。
安田
そうそう。そういえば渡邉さんはそういうの得意でしたよね。ワイキューブ時代に一緒に仕事をしていた頃から、他のチームのメンバーのことも気にかけていて。
渡邉

確かにめっちゃ得意です(笑)。今も「社員1人1人とコミュニケーションを取る」ということを自分自身のタスクに入れてますし。

安田
素晴らしいですね! これからの経営者は、そうやって社内の人との個別のコミュニケーションを取ることを意識していかないといけないんでしょうね。

渡邉
ちゃんと見ていてくれるっていう安心感が大事ですよね。かといってあまりじっと見てたら気持ち悪がられますけど(笑)。
安田

それはまぁ、加減していただいて(笑)。あとは社員の内的報酬を高めるポイントとして、社長と幹部の収入格差を極力なくすっていうのも大事らしいです。


渡邉
ああ、それは同感です。社長だけがいい車に乗ってるとかは完全にNGですよね。社員に「社長はリッチでいいですね」なんて思われた時点で、その社員はやる気をなくしてしまってますから。
安田

昔は「俺もいつかは社長みたいに稼げるようになろう!」と思って頑張るきっかけになったりしてましたけど、今は逆ですからね。


渡邉
そうですね。そういえば、30年前ぐらいに出た「ドリームマネージャー」って本にも書いてありました。「マネージャーの唯一の仕事は社員の夢を叶えることだ」って。
安田

なるほど。確かに給料がすごくいいわけでもないのに、社員の満足度がやたら高い会社って、その辺りをしっかり意識してますよね。査定基準も部下の給料を増やした人の収入が上がるように設定したり。

渡邉

形だけコミュニケーションを取っても意味がないですからね。どうやったら部下の給料が上がるのかを一生懸命考えるのが上司の仕事だと思います。

安田

ちょっと前まで「1on1」って1対1で時間を取って話すのが流行ってましたけど、それをやってるからといってコミュニケーションが取れているとは限らないですからね。

渡邉
本当にそうですよ。急に面と向かって本音で夢を語ってくれって言われても、社員も困りますよね。それよりも日々の業務の中で、一緒にいろんな苦労を乗り越えたという共通体験が必要で。
安田

普段からちゃんと社員を見てないといけないということでしょうね。奥さんの昨日と今日の違いがわからないと機嫌を損ねてしまうのと同じで(笑)。

渡邉
ええ、まさに(笑)。そのぐらいの気遣いを社員に対してもしなくてはいけない時代だってことですよね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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