Facebookが社名変更しました。
はい。Metaですね。
ちょっと前にFacebookでは社内告発があって。「社名を変えて逃げようとしてる」ってネットに書き込まれてました。
それはないでしょう。
専門家の人たちはFacebookの次世代戦略だと評価してます。
私もそう思います。Facebookは10代、20代にあんまり受けてなくて。将来的にユーザーが減っていくことを考えての戦略でしょうね。
そのための社名変更ってことですか。
商品名=会社名って、今までは良かったと思うんです。ただここからは、もうちょっと業務を広げていくというメッセージ。
GoogleもAlphabetになりましたよね。
はい。狙いは同じだと思います。
Googleほど知名度の高い会社はないと思うんですけど。それでもあえて社名を変えるってすごい決断ですよね。
そう思います。
でもネットユーザーは「名前を変えて逃げようとしてる」という意見が多くて。
一部の人の意見だと思いますよ。
何にでも否定的なコメントをするユーザーっていますもんね。
はい。冷静に考えればそんなわけがないので。
社名変えたってFacebookだってことは、みんな分かるわけですからね。
そう思います。商品名やサービス名は残るわけで。
単純に「次のステージに行くぞ」っていう成長戦略だと。
はい。
世界のトップ企業にまでなった事業を自己否定して。
そこが凄いですよね。
社名を変更したら GAFAじゃなくなってしまいますけど。
ほんとですね(笑)GAFAどうなっちゃうんでしょう。
GAFAほどの会社でも「今の事業がどこかで終わる」って考えてるわけですよね。脱皮して次のステージに行こうとしてる。
はい。凄いです。
日本の大企業はいつまでも三井だ、住友だってやってますから。銀行のシステムひとつでも派閥争いばかりで。
トヨタ自動車が社名変更するみたいなもんですから。なかなか出来ないです。
Metaっていう社名は仮想現実事業を極めていく宣言らしいです。ちょっとイメージが湧かないんですけど。本気なんでしょうか。
完全に本気ですよね。普通の人が見えない未来を見てます。
だとしたら日本の大企業はもう追いつけないですね。付加価値つけた冷蔵庫とかつくってる場合じゃない。
現場の努力としては正しいと思います。ただ経営者はもっと先を見ないといけない。
経営者はもっと次元の違う戦略を考えないと駄目?
はい。難しいでしょうけど。
仮想現実とか言っても「なに空想の話してるんだ」って言われそう。
日本企業は後追いが基本なので一手遅れてしまいます。世界のトップはいま儲かってる事業を踏み台にして考えてる。
社名にこだわってちゃダメですよね。
まあ、うちの会社でも社名を変えるの嫌なぐらいですから(笑)
そろそろ変えましょうよ(笑)
変えられないですよ。
東海地区一番を目指して「とうかい」にしたんですよね。
そういう壮大な目標です。
今や全国レベルを目指してるから「ぜんこく」っていう社名にしましょうよ。
せめて「にほん」とか(笑)
でも冗談じゃなく、本気で考えないと先はないですよね。
日本企業の体質改善は必須ですね。
大企業のフットワークが悪いことも問題ですけど。人が何かチャレンジするとか、新しいことやるっていうと、どうも否定的に見る人が多い。
それがイノベーションの足を引っ張ってます。
選挙で維新が躍進してましたよね。
大阪では凄い人気です。
それだけ人気がある大阪でも都構想は否決されちゃうわけで。いちばん要の政策なのにやっぱり現状維持を望むっていう。これは国民性でしょうか。
国民性でしょうね。新しいこととか変化することは、とりあえず否定しておきたい。
日本からイーロン・マスクみたいな人は出てこないですか。
難しいですね。
「仮想現実事業をやるぞ」って人が出てきても、堀江さんや前澤さんみたいに叩かれちゃう。
とにかく異分子を嫌うムードがありますから。
海外に行っちゃう日本人も多いですよね。
海外でやった方が批判もないし一緒にやってくれる人も多いです。
久野さんも業界では珍しく、どんどん新しいことをやるタイプじゃないですか。
それしかないですから。
でも士業って、あんまり目立ち過ぎると叩かれそうで。業界の中で嫌われちゃったり、足の引っ張り合いをしたり。
それは士業に限った話じゃないと思います。
どの業界も一緒だと。
私は子供の頃から経験してますね。みんなと違う動きをすることに対して、ほっといてくれない。
確かにそうですね。
なんとか引きずり戻そうみたいな。そういうのを小学校のときから経験してるので、もう慣れちゃってます。とにかく「同じ方向に行かせる」という圧力がすごい。
よく世界第2位の経済大国になれましたよね。たまたま時代の流れと合ってたんでしょうか。
同じものをひたすら生み出すことに関しては、日本人はめちゃくちゃ得意なので。人口も爆発的に伸びてましたし。タイミング的にも車や家電がちょうど出てきた頃で。
作れば売れる時代でしたよね。
はい。でも変化させていく時代になると、同じ指向性は強烈にネガティブに働きます。
仮に日本の人口が減ってなかったとしても、足の引っ張り合いをやってるようではダメだと。
厳しいでしょうね。
日本人が得意なビジネスもどんどん海外に流れてます。
はい。得意分野がなくなっちゃった。終身雇用や年功賃金も、同じものたくさん作るビジネスでは有利なんです。人が辞めなくなるので安定供給できるから。
でも時代が変わると合わなくなってきた。
しかも変化していく人の足を下から引っ張るわけですから。
1億総中流が総下流になっても不思議じゃないですね。
なるべくしてなったという感じです。
久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。