その219 冷笑とZ

いまの50代くらいの人たち、最初は「団塊ジュニア」といわれていました。
いまは「氷河期世代」が呼称としてはメジャーだと思います。

メディアでも氷河期世代は頻繁に使われますが、起源は30年以上前にまでさかのぼります。
かつてはロストジェネレーション、ロスジェネなどともいわれていました。近年、氷河期が一般語になったのは、2019年に政府が公式の制度で扱った影響のようです。

実態をいうと、その制度が対象にした「望まない非正規雇用者」や「無業者」は、あわせても全体の1割未満にすぎません。それでも世代は氷河期が代表して使われています。

そんな氷河期の前の世代が「バブル」、次の世代は「ゆとり」です。

バブルの前の「団塊」は社会が最初の世代くくりだったため、それ自体が目的でしたが、それ以降にはなにかしらの意図があります。
ネーミングに当時の日本の空気を一言で言い表そうとするニーズと、それに隠れてくっついているものがあるからです。

隠れているもの、それは「ちょっとした冷笑」です。

バブル、氷河期、ゆとり世代というとき、そこには経済的特徴や教育制度だけではなく、人に対する評価がついてきます。
望むと望まざるとにかかわらず、時代の中心にいた若者、「それに翻弄されたおまえたち」に対して、他世代からの意地悪な嗤いが潜んでいることは、否定しがたいものがあるでしょう。

そんな世代ラベリングの現行版、Z世代ですが、今度は勝手が違います。

もともと「Z」の呼称は、海外で大昔「ジェネレーションX」という世代観が作られたのをきっかけに、「Y」「Z」とざっくりした世代分けが続いたのを直輸入しただけで、伝統となってきたふくまれた意味がありません。

SNS、多様性の強調、子どものときからスマホを持っているなど、特徴は十分ある世代ですが、若者をいちはやくパッケージングしたいメディアとマーケティングがそう呼びはじめました。

ですが、いままでと違ったのは、本人たちがその名称をネタ化して積極的に引き受けたことです。氷河期やゆとりを自分から喜んで使う人はいないでしょうが、今回そうではありませんでした。
そうこうしているうち、やがて完全に定着してしまいました。

へんてこな、みっともない冷笑ラベルを貼られる前に
「これなら我慢できる。使っちまえ」
と、自分たちに貼ってしまった、というわけなのです。

 

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

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