その78 見える化

そういえば、ここ最近あんまり見なくなったように思いますが、
今でも使われているところでは使われているのでしょうか、
「見える化」。

もちろん世間でこの言葉が流行っているか否かということとは別に、
どの業種、どの会社でも「大事なことを可視化する」ということには
いつの時代も意味があるものでございまして、
それがトヨタ源流の用語の場合「見える化」であったということです。

しかし、そのおおもとのトヨタ式の哲学というか生産管理手法では
進捗の把握や不良の発見の工程で
明確な定義をもっていた「見える化」も、
他のところにそのまま持ちこむのはむずかしいはずです。
たとえば小売業なら、
自動車のような大規模製造業と共通する部分はほとんど存在せず、
そこで「見える化」を試みるとしたら
自分にとっての「見える化」とは何かという、
根本的な定義を固めなければいけないということになります。

個人的なことですが、
トヨタ系のコンサルタントという方を見かけたことがありますが、
その方はあくまで経験からトヨタ流の知見を身に着けた方であり、
まったく異なる環境で必要な
独自の「見える化」を構築、提案できるかといえば、
またそれは別の能力という感じでありました。

「見える化」という表現は
一時期たしかに大いに受けたものではありますが、
あくまで特別ないち企業で編み上げられた文化のワードであり、
仕事の世界全般に広げられるような
普遍性をもっているのは「可視化」であったように思われます。

でもまあ
とにかく目に見えるようになればいいのだ、
という発想は万人が好むところでもあり、望むところでもあります。

テレビCMでは
「衣類や家具についている細菌をCGでこれでもかとばかりに強調する」
演出がすっかり定着していますし、菌といえば
「スマホに付着している菌の数は便座より多い」
などという話も何年か前にありました。

その実、CGで描かれるミリ単位の巨大な菌の姿は事実ではないわけですし、
細菌は常在菌など共生している菌と有害な菌の違いもあるのですが、
そういったメンドクサイ話は誰もしたいと思っていません。

それでも、それくらいが凡庸なる私たちにとっての「見える化」なのです。

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

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