【vol.161】シリーズコロナ後の世界(No.8)時間感覚と過ごし方

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、WSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今週の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

先週は「Physical and Digital Worlds(物理的でデジタルな世界)」を読み込みました。早速続けて行きます。

・New Schedules(新しいスケジューリング)

Staying home more has pushed consumers to be more creative with their time and more deliberate in organizing their daily schedules as they juggle their work, family, and personal lives.

「ステイホーム」することで、消費者はより創造的に時間を使うようになって、計画的に仕事・家族・趣味などへの時間の割当をするようになった

一般論ですが、「ステイホーム」の浸透による、人々の「時間の使い方の変化」についての解釈はいくつかありまして、概ね下記の2つに大別できます。

解釈1.ずっと家にいるのでダラダラと無計画に時間を浪費してしまうようになった
解釈2.ずっと家にいるから時間の使い方について再考し、より効果的な時間配分を探るようになった

今回のレポートは後者(解釈2)の立場ですね。

原文は次の考察に続きます。

As more and more consumers try to cram more into their day, they’re trying to get time back through services and products that help them do it

より多くの消費者が1日の中にやることを詰め込むようになり、「サービス」や「製品」を使って時間を取り返す(効果的に使う)ようになってきている

自宅で過ごす時間が増えたので、消費者は「時間」への意識が高まって、「時間」を効率的に使えるような「サービス」や「製品」の需要が高まっているという分析ですね。

一方で先程の「解釈.1」のコンテクストだと、「ステイホームで時間だけは有り余っているから、むしろ余興とか娯楽とか時間を消費・浪費できるようなコンテンツ」のニーズが高まってきている、とも言えます。

結局の所「ステイホーム」がもたらしたのは、「時間が足りなくて効率的に使いたい人」と「時間が有り余ってしまった人」の分断で、この分断がそのまま「経済的な2極化」と相関してしまう、という現象ではないでしょうか?

2極化しているが故に、前述のどちらの解釈も「正」となる世界がやってきたということでしょうね。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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