第149回 「辞めない」新卒採用の極意

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第149回 「辞めない」新卒採用の極意

安田

かつて私がやっていたワイキューブで、万代さんの新卒採用をお手伝いさせてもらったことがありましたね。その時に入社された方が、今は関連会社の社長になったそうで。


倉橋

ええ、そうなんです。もう17年も前のことですけど、その節はありがとうございました。

安田

いえいえ、お役に立てて嬉しく思います。今回、久々に新卒採用を再開するにあたって、17年間ずっと準備していたとXで仰ってましたよね。


倉橋

ええ。17年前に安田さんにお願いして、いい人材が採用できたんですけど、やっぱり入社時にはギャップがあったらしくて。でも今だったらこのウェブマガジンXポッドキャストで自分のメディアも整ってきている。求職者がちゃんとリサーチできる環境になったことで、そのギャップも解消されているんじゃないかと。

安田

ああ、なるほど。新卒採用の準備をしていたというよりは、情報発信を積み重ねてきた結果、今だったらうまくいくんじゃないかと思えるようになったということですね。


倉橋

そうですね。特にこの4年間で集中的にやってきたんですが、この間に採用した方はギャップがものすごく少ないんですよ。

安田

素晴らしいですね。採用のためにメディアを始めたわけではないけれど、結果的に採用の基盤になっていると。


倉橋

ええ、まさに。メディアがなかった頃は「思っていたのと違う」という離脱が多かった。今はそれがほとんどないので、これなら新卒もいけるなと。

安田

確かに当時を振り返ると、私がお手伝いしていた他の会社さんでも、入社後のギャップで辞める人は一定数いましたからね。中小企業が優秀な新卒を採るには、どうしても未来やビジョンを語って背伸びする必要があった。そこから幹部になる人もいたので、当時としては機能していたんですけどね。


倉橋

そうそう。うちもまさにそうでした。でも今は時代も変わって、共感がないと組織にいてもなかなか活躍してもらえなくなりましたからね。

安田

本当にそうですね。


倉橋

発信さえしっかりしていれば、共感しない人はそもそもエントリーしない。結果、自然とマッチングの精度が上がるんです。それに気づいたときに、新卒採用も全然できるなと。

安田

今はネット時代で、社長自身が直接声を届けられますからね。同時に、入社した学生もSNSで発信できるわけで、入社後のギャップにはより注意が必要になった。「あそこは言ってることと全然違う」と書かれてしまって、次の世代の採用まで影響が出てしまう。

倉橋

まさにそうなんです。昔も今も安田さんに採用のお手伝いをしてもらっているわけですけど、やり方は全く違いますよね。今やっているウェブマガジンやポッドキャストは、間違いなく採用のための媒体だと僕は思っています。

安田

当時は合同説明会で大きなブースを構えて、通りかかった学生に「まず座ってください」と呼び込むようなことをやっていましたけど、そういうやり方はもう合わないということですか。

倉橋

そういうご提案をいただくこともありますけどね。「新卒採用やっているならこれに出ましょう」と。でも全く響かないんです。昔はそんなやり方もしていたなぁ、なんて思ってしまって。

安田

そう考えると、業界全体はあまり変わっていないのかもしれませんね。

倉橋

そうかもしれません。ビジョンを語ってたくさん集めるやり方では、結局ゴールデンウィーク明けにはメッキが剥がれて、辞めたいとなってしまうんですけどね。

安田

そうですよね。でも圧倒的大多数の学生は今でも合同説明会に行ったりリクルートスーツを着たりしていますし、企業側も人手不足なのにずっと同じことをやっている。求人ナビ運営会社は過去最高益だそうですけど、倉橋さんはそういう状況をどう見ていますか?

倉橋

既得権ビジネスだなと思いますね。どういう人を採用したいかというターゲティングがないまま、とりあえず合説に出続けている中小企業が多いんじゃないかなと。

安田

まずどういう人が自社に合うかというターゲティングがなくて、魅力を磨く努力もしない。倉橋さんのように出張や転勤があることもそのまま見せて、それでも来てくれる人だけを採るというのが、今の時代の正しい採用だと思うんですけどね。

倉橋

ビジネスとすごく似てるんですよ。ターゲットを設定して、自社の得意なところを発信して、凸凹もちゃんと見せる。やっぱりこのメディアのおかげだなと本当に思っています。求人広告に莫大な費用をかけるぐらいなら、その分を情報発信に回した方がいい。

安田

本当にそう思います。私も当時は結構な金額をいただいてましたけど(笑)。時代が変わって、今はメディアで等身大を発信し続けることが最強の採用戦略だと。いまだに変わらない会社が多いのはもったいないですよね。

倉橋

ナビ運営企業も本当はわかっているんだろうと思いますけどね。でも僕は今のやり方をやってみて、これがベストだと思っています。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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