第7回 「飲み会営業」のプロ

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第7回 「飲み会営業」のプロ

安田
渡邉さんは日々新しい「プロ人材」と会っていると思うんですが、最近ではどんな人がいましたか?

渡邉
そうですね。例えば外資の保険の営業マンで、「飲み会営業」がすごい人と知り合ったんです。まさに昨日も飲み会だったんですが、その場でバンバン仕事を決めてしまう(笑)。
安田
それはすごい。どんな人だったらそんな営業マンになれるんですかね?

渡邉
彼曰く、「育ちは悪いんだけど性格がいい人」っていうのがベストらしいです。
安田
意外な方向性ですね。なんで育ちの悪い方がいいんですか?

渡邉
そういう地域にいると、いろんな人を見るじゃないですか。いろんな人種と言いますか。
安田
いろんな人種と言うと?

渡邉
ちょっと裕福な人もいれば、貧しい人もいて、何の仕事をしてるのかわからないような人もいる。もっと言えば、現実的に治安が悪かったりするので、危機管理能力が自然と身につくというか。
安田
ああ、まあそうですよね。僕の父も大阪の方で工場をやってましたけど、そこに遊びに行く途中で何度も絡まれたり、カツアゲされそうになったりしましたね。

渡邉
そうなんですよね。そういう地域で育つ中で身につくことが、「飲み会営業」に必要な能力だったりするんですよ。
安田
でも、それってどういう能力なんですか? 殴られないよう相手のご機嫌を取る、ぐらいしか思いつかないですけど。

渡邉
飲み会営業に必要な能力は3つあって。1つ目は当然「酒が飲める」こと。ヤンチャな地域で育つと、結構若いうちから飲まされて鍛えられるじゃないですか。
安田
まあ、それは想像できますね。

渡邉
2つ目は「空気が読める」こと。先ほど話したように日々いろいろなタイプの人種を見て育つので、観察眼が身につくわけです。殴られないようご機嫌を取る、というのもこれです。
安田
なるほど。人のことを観察する癖がつくわけですね。

渡邉
そういうことです。そして3つ目が、「性格がいい」こと。
安田
へえ。なんで性格がよくないとダメなんですか?

渡邉
これはすごく単純な話で、嫌な奴は飲み会に誘われないんですよ。
安田
笑。でも、私はよく飲み会に誘われますけど、性格めちゃくちゃ悪いですよ。人の不幸ばっかり祈ってますから(笑)。

渡邉
いやいや、それを正直に言うってことは、逆に性格いいでしょう(笑)。もっとひん曲がった人もいるじゃないですか。
安田
まあ、確かに。マイナスなことばかり言う人とか、常に否定から入る人とかいますもんね。

渡邉
そうですそうです。お酒を飲むとその人の性格がそのまま出ちゃうので。
安田
お酒を飲んで態度が変わる人もいますけど、あれも結局本来の自分が出ているだけですもんね。

渡邉
そうそう。だから、やっぱり性格がいい人じゃないとダメなんです。
安田
でもその3つを聞いても、別にガラの悪いとこに暮らしている必要はなさそうですけどね。

渡邉
もちろんそれは必須条件ではないですけどね。でも、ガラの悪いところの方がこれら3つを満たしている人が多いんですよ。
安田
8人兄弟とかの真ん中で育つと、コミュニケーション能力がすごく高い人になる気がするんですけど、それに近いのかもしれないですね。

渡邉
確かに、それと同じなんでしょうね。たくさんの人と様々な方法でコミュニケーションしてきた、ということが重要なんだと思います。
安田
なるほど。ではその3つの要素があれば、すごい営業マンになれる、もとい「すごい飲み会営業」ができると。

渡邉
そういうことです。あとこれは必要な能力というよりコツなんですが、「相手を楽しませる以上に自分も楽しむ」っていうのが大切なんです。
安田
へえ。相手を楽しませることで仕事を取るんだと思ってましたけど。

渡邉
最終的にはそうなんです。でも仮に仕事が取れても、「相手だけが楽しくて自分はつまらない」じゃあ続かないんですよ。「相手も自分も楽しい」じゃないとダメというか。要は、本物の飲み友達になっちゃえばいいわけです。
安田
確かに、酒が強くて朝まで付き合ってくれて、場の空気も読めて、なおかつ話してて楽しいなんて、営業マンというよりは飲み友達っていうポジションですよね。
渡邉
だから営業されてるっていうより、本当に友達と飲んでて仲良くなってるって感じなんでしょうね。
安田

渡邉さんの「肝臓マーケティング」をその人に丸ごと業務委託できそうですね。

渡邉
そうなんですよ。ちょうど肝臓マーケティングからの卒業を考えていたところでもあったので、彼に任せようかなと(笑)。
安田
ちなみに私が考える「売れる営業マン」って、相手視点がある人なんですよね。Aを売ったほうが自分は儲かるけど、この人にはBの方がいいと思ったらちゃんとBを勧めてあげる。そういう人こそ売れると思うんですけど。
渡邉
わかります。自分が何を売りたいかではなく、相手が何を必要としているのか。その視点は何より重要ですよね。相手以上に真剣にそれを考えられる人は、やっぱり売れますよね。
安田
先ほどの「飲み会営業」のプロの方もそういうタイプなんでしょうね。
渡邉
そうですね。さらに言えば、彼にはすごく広い人脈がある。採用関係の会社だけで5社くらいと繋がりがあるんです。
安田
ああ、つまり選択肢が多いんですね。AとBの2択より、ABCDEの5択の中から選んだ方が、しっくりくる可能性は高いですもんね。
渡邉
仰る通りです。それに加えて「飲み会営業」に必要な3つの要素も持っている。そりゃ売れますよね。
安田
なるほどねえ。渡邉さんの周りにはなかなか面白いプロの方がいますね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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