第9回 いいネーミングの必須条件

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第9回 いいネーミングの必須条件

安田
前回までいろいろな「その道のプロ」のお話を聞いてきましたが、今回は「ネーミングのプロ」についてご紹介いただけるそうで。なんでも、すごい方がいらっしゃるんですよね。

渡邉
ええ。我々ランリグの新事業「その道のプロ」にもご登録いただいている方なんですが、そもそも弊社が新事業を始める際にはいつも依頼している方で。
安田
私もネーミングを商品として売り出してかれこれ10年になるんですけど。以前ネーミングした会社さんがちゃんと成功しているのを見ると、あらためてネーミングって重要だなと思いますね。

渡邉

ええ。さらに言えば、ネット社会になってネーミングの意味が変わってきたんですよね。昔はネーミングの良し悪し以前に、CMでガンガンPRして記憶に刷り込んで売るって感じでしたけど。

安田
そうでしたね。今はプル型というか、「なんか面白そう」「なんか気になっちゃう」っていうネーミングがウケますよね。うまくハマれば口コミで勝手に広がっていく時代なので。

渡邉
そうですね。逆に言えば、従来型のマス広告ではあまり効果が出なくなっちゃったんですよね。今や中小企業も含めネット広告のほうが一般的です。そうなるとますます「拡散されるようなネーミング」が重要になってくる。
安田
確かに。でもネーミングって、すごく短い言葉じゃないですか。だから「素人でも作れるんじゃないか」って思いがちな気もするんですけど、その辺はどうですか?

渡邉
ああ、それは僕自身も感じたことがありましたね。実際ウチのリフォーム事業を強化しようっていう時に、自分でネーミングしてみたんですよ。「本気のリフォームネットワーク」って。
安田
それはちょっと、何が言いたいかよくわからないですね(笑)。

渡邉
そうですよね(苦笑)。これでも徹夜して考えたんですけどね。で、やっぱり評判もよくなくて、プロに頼んだんです。出てきた案が「リフォーム事業に千人の戦力を」という意味で「センリョク」。
安田
さすがプロですね!わかりやすくて覚えやすい。

渡邉
仰る通りです(笑)。それ以来、もうネーミングは絶対にプロに任せようと思うようになりましたね。
安田
なるほど、プロとの力の差を身をもって痛感したわけですね(笑)。ちなみに、プロと素人じゃ何が違うんでしょうね。何か法則があるんでしょうか?
渡邉
それはあると思いますね。僕がプロのネーミングを見てきた中で感じるのは、やっぱりインパクトですよね。まず耳にした時に面白くないとダメなんで。とは言え、ただインパクトがあればいいかというと、そうでもなくて。
安田
そうですよね。あまりに突拍子もないネーミングだと頭に入ってこないですからね。

渡邉
まさにそうなんです。「インパクトだけ」だと、サービス自体よりその衝撃が勝っちゃうから、逆に記憶に残らないんですよ。元々ある言葉とか、その人の過去の記憶と紐づけて「記憶に残る」ことが大事なんですよね。
安田
「インパクト」と「記憶への残りやすさ」が両立しているってことが重要なんですね。

渡邉
そういうことですね。あと一つ、「サービスを想起しやすい」っていうのも大事ですね。当然、サービスを宣伝するためにネーミングするわけなので。以上3つの要素が揃ってることが、「いいネーミング」の必須条件だと思いますね。
安田
なるほど。先ほどの「センリョク」だと「千人力の戦力」だから、戦力になると同時にすごくたくさんの人を抱えてるんだろうな、とイメージできると。

渡邉
まさにその通りです。弊社では、「センリョク」以外にも「その道のプロ」事業もプロによるネーミングなんですが、すごく納得感もありますし、認知されるスピードもかなり早いですね。
安田
ちなみにネーミングに向いているサービスってあるんですか?
渡邉
どちらかと言うと、めちゃくちゃ斬新で今までにないものよりは、既存のマーケットのちょっと新しい切り口の商品やサービスの方が向いてると思いますね。
安田
確かに、今までにある商品をベースにしている方が理解されやすいでしょうからね。

渡邉
そうですね。ネーミングの他に「コンセプト文」とか「キャッチコピー」も作っていただくんですけど、商談でも社員への説明でも、理解してもらうのが本当に楽で。WEBに載せておけば勝手に営業してくれるし。
安田
わかります。ネット全盛だからこそ、言葉はますます重要になりますよね。ちなみに「ネーミング」に対して、「キャッチコピー」や「コンセプト文」はどういう位置づけなんですかね。

渡邉
そうですね。ネーミングはあまり長いと覚えられないので、どうしても短くなります。そうすると全てのサービス内容やこだわりを詰め込むのは物理的に不可能で。
安田
なるほど。それを補うために「キャッチコピー」を添えるわけですね。でもこれも1〜2行くらいのものでしょう?

渡邉
ええ。キャッチコピーで「どういうサービスか」「どういう人に向けたものか」がザックリわかって、もう少し詳しく知りたい人に向けて書かれているのが「コンセプト文」ですね。
安田
つまり、短めの商品説明みたいなものですか。

渡邉
そうなんです。で、その商品説明がそのまま営業トークになるので、現場ではかなり助かってます。
安田
営業トークって普通は営業マンが考えますけど、営業マンは言葉のプロではないですもんね。
渡邉
そうですね。プロが考えたキャッチコピーにしてもコンセプト文にしても、どうすれば欲しくなるのか、何を言えば売れるのか、を考え抜いて作られてますからね。
安田

結局そのキャッチコピーとかコンセプト文を読ませるためにネーミングがあるんですよね。

渡邉
確かに。一番広がりやすいのがネーミングなので。SNSなんかで「あれ知ってる?」とか「これ面白いよね」ってそのネーミングだけがどんどん広がっていって…
安田
そこで興味を持ってもらえたら、クリックしてキャッチコピーとかコンセプト文を読んでもらえるっていう流れになると。ある意味お金がかからないDMみたいなものかもしれませんね。
渡邉
確かにそうですね。しかも、すごいプロだと「時間の経過」も計算して作ってくれるので、5年後や10年後になっても劣化せず、むしろどんどん愛着がわいてくるんです。
安田
今の感覚でインパクトのある言葉を選ぶと、数年後には古く感じたり陳腐に感じることもありますからね。
渡邉
あれは、一体どうやって計算してるんでしょうね。
安田

それがわかったら私もネーミングのプロになってます(笑)。

渡邉
それもそうですね(笑)。
安田

自分でやるにはハードルが高そうなので、「プロ」の力を借りるのが良さそうです。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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