ひとつ疑問ですが、
会社の「ミッション」「ビジョン」って、
自分のところ以外を知ろうとしたこと、あるんでしょうか。
というのも、
今日びは多くの会社がミッションビジョンを積極的に発信しているにもかかわらず、
大半の場合それは自社紹介のツールであって、
特別な歴史があるところを除き、他社から論じられる機会というのを
ほぼ、見かけることがないからです。
もうちょっといえば、
「自社にとって譲れないこだわりがあって
他社のものはわりあいどうでもいい概念」
とは何なの、ということです。
“社会に対してなんらかの働きかけを行い、
より良い世界になるように変化を与えていく。 ”
つまるところ
ミッションもビジョンも
手段や価値観の具体的なところはさておき、
そういうことだと思うのですが、
企業という名の私的営利組織の最終目標が
稼ぎ、豊かになるではなく、
「社会へ何かを為すこと」であることへの道筋が
そもそも見えないのです。
ミッションビジョンが企業活動の核になるということは
コンサルタントの方がよくおっしゃっていますし、
経営者の方にとっては
会社という生命体の精神的支柱にあたるものとして
認識されているのでしょう。
といいつつ企業のwebページを拝見してみると
ミッションビジョンのほとんどは
なんというか正直
ちょっと何言ってるかわからない
という内容なのです。
「ずっと、自分が普段思っていることを人に説明すると
<気持ち悪い>っていわれたけど、
漫画にして描けば理解してもらえることに気づきました」
あるとき、有名な漫画家がインタビューでこのように答えていました。
たしかに、その方の作品では「愛とは何か?」のような
まったく今っぽくないテーマを扱っていましたが、
エンタメとしても優れていたので成功したのです。
「ぼくが考える愛について」を語るのは気持ち悪いが、
それをテーマとしたマンガは、面白ければテーマ込みで喜ばれる。
企業のいう「ミッション」「ビジョン」は
あるいはそんなようなものかもしれません。
すなわち、プロダクト、サービスとしての価値が高いことで、
ミッションビジョンが広く世間に受け入れられうる、と。
であれば、逆にいうと、
ミッションビジョンを企業自身が語ることって、ぶっちゃけ
「濃厚な自分語り」
ってことなんですかねえ……