人間交換日記 162通目「正義の奴隷化」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


162通目/大野からの返信
「正義の奴隷化」

「ねばならない」は人間の持つ創造性をことごとく殺す。これを例えば、企業文化に持ち込んでしまうと、最悪、家畜化になる。言わば「ねばならない」という正義の奴隷化。それ以外は排除される。それが数字だと数字をあげてからものをいえとか言う輩が出てくる。また、その「ねばならない」が数字ではなく、仮にどんなに崇高な理念だとしても同じこと。本来、崇高な理念に共鳴共感できるのならば、「ねばならない」など生まれないから。つまり、組織カルチャーにしても、個人の人生にしても「そうしたい」というゴール設定と「そうしたい」と心から願うステイトを持てるよう自分自身も含めて支援できるか?が鍵を握っているように思うんです。

前回161通目/安田「やってはいますけど・・・」

大野さんへ

生きている限り自己洗脳は解けない。ホントその通りだと思います。おっしゃるように私は「〜しなければならない」という前提を疑い、自分が何に囚われているのかを考え続けてきました。それでも分からない。それでも洗脳は解けないのです。現状(リアルな現実)の外側にゴールを置いてみる。いつかはここにチャレンジしたいですが、かなり難しいです。私も私の家族も現実世界で暮らしていて、家賃も払わなければならないし食費や電気代だってかかる。学校にだって行かせてあげたい。ここを捨てるのは本当に勇気が要ります。洗脳を解くのではなく「自分は洗脳されているかもしれない」と自覚して生きていく。それが限界なのかもしれません。

ー安田佳生より

 

前々回160通目/大野「何かと何かの境目を研究することがベストの歩み」

安田さんへ

僕には思い当たる節が沢山あります。しかし、そういった自己洗脳って、生きている以上解けないのではないでしょうか。安田さんのように考え抜く。何かと何かの境目を研究することがベストの歩みのような気がします。それでようやく質感を変えていくことはできるのかもしれません。あとツマラナイ話ですが、「〜しなければならない」という前提を疑ってみることは大切に思います。その反面、これも月並みですが、自己認識することですかね。特に、自分の性と言いますか、本能と言いますか、衝動というのでしょうか。流行の言葉で言ってしまえば、自分にとっての最高価値とは何か?それと現状の外側にゴールを置いてみる。勇気いりますけど。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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