【vol.272】オンラインショッピングのトレンド②

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き「オンラインショッピングのトレンド」を見ていきたいと思います。
素材は、決済サービスSquare社の自社記事です。
Z世代/ミレニアル世代の決済データを大量に持っている会社のレポートとして注目しました。

Square社の「自社調査」なので、PR調査的な側面もあるものの、重要なデータも含まれているので読んでみました。

今週の記事はコレ

Consumer Trends in 2023: What We’ve Learned So Far | Square
(2023年の消費者動向: これまでわかったこと by スクエア社)
https://squareup.com/us/en/the-bottom-line/reaching-customers/consumer-trends-2023

記事内には「注目すべき5つの消費者行動」が記載されていて、下記がそのリストです。

1.Mobile commerce is a must.
2.Buy now, pay later attracts shoppers.
3.Sustainability matters to conscious consumers.
4.Luxury is relevant for millennials and Gen Zers.
5.Customers want more from their shopping experience.

 

先週からの続きで、「3.Sustainability matters to conscious consumers.」を読んでみます。

3.Sustainability matters to conscious consumers.
(意識の高い消費者にとって、サステナビリティは重要)

Sustainability is a significant concern for younger consumers, with Gen Zers and millennials currently making up the majority of sustainable product sales at 69% share of spend, according to the report. Gen Zers, however, are leading the way as they account for over 70% of sales for products marked as sustainable on Afterpay.

報告書によると、サステナビリティは若い消費者にとって重要な関心事であり、Z世代とミレニアル世代がサステナブル製品売上の69%を占めている。
Z世代は、アフターペイでサステナブルとマークされた商品の売上の70%以上を占めており、先頭を走っている。

サステナビリティ消費と若者を結びつけた分析です。
「約7割のサステナビリティ消費が若い世代によるもの」
という結果です。
他の調査結果もいくつか見てみましたが「程度の差こそあれ、欧米において、Z世代およびミレニアル世代とサステナビリティ消費」は相性が良いようです。
とはいえ、今回のSquareの調査は「オンラインにおけるサステナビリティ消費」が母集団なので、若者中心の結果に偏っている側面もありそうです。
普通にサステナブルな生活をしているおじいちゃん&おばあちゃんたくさんいるはずですし笑

多少偏っているとはいえ、下記の指摘は重要な指摘だと思います。

Take into account the different ways your store can appeal to the conscious consumer without making it feel forced or performative. Younger generations are not only more conscious than the ones before them, but they are also more aware.

意識の高い消費者にアピールするさまざまな方法が、押し付けがましくなく、パフォーマンス的にならないように考慮すべきだ。若い世代はそれ以前の世代よりも、意識が高いだけでなく、注意深い。

Z世代やミレニアル世代は「意識の高い消費(=サステナビリティ消費)」をする傾向があることは確かであるけれど、単に見せかけのパフォーマンスとしてのサステナビリティ商品(サービス)や、押し付けがましい訴求だと、その企業側の魂胆を「見抜いてしまう」。
このような「注意深さ」を持っていることもまた、この世代のリテラシーである、ということです。

企業の側としては
①純粋に本物かつ本質的なサステナビリティ商品(サービス)を探求・提供する
②若い世代に「見抜かれないように狡猾に注意深く」パフォーマンスとしてのサステナビリティ商品(サービス)をバレないように訴求・提供する
のどちらかが必要ですね。

「①で本質を探求するか、②を徹底的に追求して騙し切るか」
どちらもサステナビリティ文脈ですが、全く逆方向の戦略ですね。
②はなんだか疲れそうだし、バレたらきっと炎上しますね。。。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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