第33回 少子化は「適正数」になるまで続く。

この対談について

株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。

第33回 少子化は「適正数」になるまで続く。

安田
いま政府は少子化対策に力を入れていますよね。日本に限らず先進国はどこも少子化が問題になっていますが、そもそも先進国って「少子化になる運命」にあるんじゃないかと思っているんですよ。

鈴木
確かに後進国の人たちの方が子沢山なイメージがありますね。日本だって農業がメインだった時代は1家庭に7人も8人も子どもがいましたし。
安田
そうですよね。農作業においては、子どもも早くから戦力になります。結果労働力が大きくなって、家庭の収益が増える。つまり子どもは財産だったんです。

鈴木
まさに「子は宝」ですね。
安田
ええ。ところが現代は事情が違います。考え方によっては、「子どもは家庭にとっての負債である」とも言えてしまう。

鈴木
え、負債?
安田
ええ。子どもって、社会人になって自立するまでずっとお金がかかるじゃないですか。教育費も含め子どもを一人育て上げるだけでものすごくお金がかかる。かといって、昔のように家庭の収益を増やすわけではない。人間的感情を抜きに考えれば、これってまさに「負債」ですよね。

鈴木
なるほどなぁ。子どもを作ることに前向きじゃない夫婦が増えているのも、そういう背景からなんですかね。
安田
「負債」とまで考えているかはさておき、世の中的に「子どもを持つこと」に対してポジティブなイメージが減っているのは確かですよね。

鈴木

そういえば、「先進国の男性の精子の数が減ってきている」という記事を見ましたよ。因果関係は不明ですが、そういう身体的理由もあるのかもしれません。

安田
まぁ、先進国はどこもその手の問題を抱えているんでしょうね。とは言え、日本政府としては子どもを増やしていきたいと考えている。だからこそ、「このまま出生率が低下し続ければ、いつか日本人がいなくなる」なんて危機感を煽っているわけで。

鈴木
うーん、さすがに日本人がいなくなるってことはないんじゃないかな(笑)。むしろ、どちらかといえば「適正数」に戻っていくだけだと思うんですよ。
安田
私も全く同感なんです。この狭い国土に1億4000万人も暮らしている方がおかしいんですよ。

鈴木
6000万人、7000万人くらいでいいですかね(笑)。
安田
実は3000万人くらいまで減っていって、そこでようやく人口減少が落ち着くっていう説もあるそうですよ。

鈴木
3000万人?! 想像以上に少なかったです(笑)。
安田
そもそも地球上に60億人いるのも多すぎなんです。そして人間の数が増えた結果、人間が育てる家畜・農作物などで地球が占領されるようになってしまった。これは異常な事態ですよ。

鈴木
自然と人間のバランスが崩れていると?
安田
そうです。いまの地球は、あまりに人間に関連することに使われ過ぎていると思うんです。

鈴木
地球は誰のものでもないのに、人間ばかりが独占しているのはおかしいと。
安田
ええ、私はそう思っています。もっとも、人間がそれだけ強い種になった結果ではあるんですけど。生物学的な観点から言うと、弱い種ほど子沢山ではあるんです。すぐ死んじゃったり食べられちゃったりするから、最初からたくさん産もうとする。

鈴木
確かに食物連鎖の上位にいる強い動物って、1度に1頭とか2頭しか産まないですもんね。
安田
ええ。それは人間も同じだと思っていて。昔は子どものうちに死んでしまうことが多かったですよね。でも今は医療も発達したし、栄養不足になることもないから、子どもの死亡率はぐんと下がっています。

鈴木
だから子どもをたくさん産む必要もなくなったということですか。
安田
そういうことです。人間という種が強くなったことで出生率が下がり、人口が減っていく。これは何も不自然なことじゃない。

鈴木
ほう、なるほど。
安田
で、「適正数」になるまで減っていき、そこに到達して初めて、「もっと子どもを作ろう」と思う人が増えてくるんじゃないかと。それこそ精子の数もまた増えてきたりするんじゃないですかね。

鈴木
納得感あります。それが自然の流れなのであれば、先進国の少子化は確かに「運命」なのかもしれません。国がどれだけ少子化対策をしてもあまり意味がないように思えます。
安田
まさにそうなんですよ。人間も自然の一部なんですから、抗わず従うしかないんじゃないのかなぁ。

鈴木
少子化になる理由は「不景気だから」とか「教育費がかかるから」なんて言っていますが、そんなのは後付の理由に過ぎないってことですね(笑)。
安田
個々で見ればもちろんそういう理由もあるでしょうけどね。マクロで見ると、もっと大きな流れの中で起こっている現象なんだと思います。

鈴木
アフリカや東南アジアなんかはまだ子沢山なイメージですけど、今後はやっぱり少子化になっていくんでしょうかね。
安田
ええ、そう思います。後進国も豊かになることで少子化に向かっていく。そうやって地球上の人口は減っていき、最終的には10億人弱で落ち着くんじゃないのかと私は予想しています。

鈴木
なるほどなぁ。でもその頃には確実に僕らは生きていない(笑)。
安田
そうなんですよ。少子化が進んだ先の結末を見届けられないのが、唯一残念なことですね(笑)。

 


対談している二人

鈴木 哲馬(すずき てつま)
株式会社濃飛葬祭 代表取締役

株式会社濃飛葬祭(本社:岐阜県美濃加茂市)代表取締役。昭和58年創業。現在は7つの自社式場を運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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